多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズ

当院では、2008年から多焦点眼内レンズによる白内障手術をはじめ、2009年6月10日に
静岡県で第一号の先進医療施設(厚労省が認定した多焦点眼内レンズを扱える施設)に認定されました。
現在(2025年9月30日)までに、1800例以上の多焦点眼内レンズ手術を行ってきました。
術後の結果は、大変良好で、多くの患者様にご満足をいただいております。
特に、最近の2年間で3焦点眼内レンズの技術革新はめざましく、
より見やすい眼内レンズが次々と開発され、より良い視力が得られるようになりました。
保険診療による単焦点眼内レンズを使用した白内障手術に比べて、
手術料金は高額となりますが、その価値は十分あると思われます。

白内障手術時の眼内レンズの選び方について

選定療養に関するご案内

選定療養とは、患者様ご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。
令和2年4月より、術後の眼鏡装用の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、
厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。
簡単に言うと、多焦点眼内レンズを患者様に買っていただいて、手術は医療保険で行う精度になったということです。
当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。
多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明いたします。

《単焦点眼内レンズ、3焦点眼内レンズの見え方》

3焦点眼内レンズ

3焦点眼内レンズの利点
  • 1.遠距離と中距離と近距離に焦点を合わせることができます。
  • 2.ドライブやスポーツ、パソコン作業など、
    患者様の生活スタイルに合わせたレンズを選択できます。
3焦点眼内レンズの種類

選定療養で認可されている3焦点眼内レンズは、8種類ほどありますが、その中で性能的に優れていて、
優れた術後視力と安定した術後成績が得られると院長が考える次の4種類を当院では採用しています。

1.Clareon PanOptix(クラリオン パンオプティクス)

米国 Alcon社で製造されている3焦点眼内レンズで、回折格子によって、光を遠方、中間距離、近方に分ける回折型眼内レンズです。焦点は、無限遠方、60cm、40cmに合うように設計されているので、コンピュータ作業、スマートフォンの使用、料理、本を読むといったことに適してます。

世界で最も多く使われている3焦点眼内レンズで、安定した術後視力が得られる信頼のおける眼内レンズです。回折格子を用いているので、若干の異常光視現象(ハロー・グレアー・スターバースト)という光の散乱、にじみは生じます。

2.Clareon Vivity(クラリオン ヴィヴィティ)

米国 Alcon社で製造されている3焦点眼内レンズで、焦点深度の拡張によって、光を遠方、中間距離、近方に分ける焦点深度拡張型眼内レンズです。
焦点深度を拡張するとは、レンズの表面にわずかな凹凸をつけることで、遠方から近方まで焦点を合わせることです。回折格子を使わないので、光の散乱がほとんど起こらず、異常光視現象は、非常に少ないです。
このため、夜間の車の運転、暗いところでの作業が多い方にはお勧めです。また、大変クリアーな視界が得られます。しかし、40cm未満の近方視力がやや弱いという欠点があります。

それに対応するため、片目に遠方合わせ、もう片目にそれよりわずかに近方に合わせたレンズを用いることで、近方から遠方までの良好な視力が得られます。
また、片目にClareon Vivity、もう片目にClareon PanOptixを用いるというのも、近方から遠方までの良好な視力が得られます。

3.Vivinex Gemetric/plus(ヴィジネックス ジェメトリック/プラス)

日本のHOYA社で製造されている3焦点眼内レンズです。
光学部の中心3.2mm径内に回折格子を有し、異常光視現象の低減を期待する設計です。

遠くの見え方を犠牲にせず、中間距離と近くの見え方を確保するための光配分をします。
また、Vivinex Gemetricはやや遠方を重視した設計で、Vivinex Gemetric Plusは、近方を重視した設計で、片目にVivinex Gemetric、
もう片目にVivinex GemetricPlusを用いることで、近方から遠方までの良好な視力が得られるとされています。

4.Acriva Trinova Pro(アクリバ トリノバ プロ)

ドイツのVSY Biotechnology社により製造されている3焦点眼内レンズで、
今年(2025年)、日本で販売が開始されました。

光を遠方、中間距離、近方に分ける回折格子がなめらかな曲線を描くように設計されています(Sinusoidal Vision Technology)。このため、ハロー・グレアー・スターバーストという異常光視現象が、他の回折型3焦点眼内レンズより少ないと言われています。さらに、瞳孔から入った光がレンズで散乱して網膜にとどかない度合いが7%と大変少ないのも利点です。

また、レンズ度数の作成範囲が、0D(ディオプター)からあり(他社のレンズは+6.0Dから製造がほとんどです)、超強度近視の方にも合うレンズが選べる利点があります。

以上の4種類の3焦点眼内レンズはすべて乱視を矯正できるレンズです。
3焦点眼内レンズでは、乱視が多くあると、その性能を十分発揮できず、視力が出にくいことが知られており、
ある程度の乱視のある方には、乱視を矯正するタイプのレンズをお勧めしています。

手術後の経過について

選定療養費用(片眼)

3焦点眼内レンズ 
34万1000円~40万7000円(税込み)
眼内レンズの種類、乱視矯正ありなしによって、価格は異なります。

メディカルクレジットローンのご案内

費用が高額のため、1度でのお支払いが難しい場合もあると思われます。
このため、当院ではクレジット会社と提携し、クレジットローンを組み、6回から60回までの分割払いを可能にしています。
詳しくは、予約時にスタッフにお尋ねください。

自由診療における多焦点眼内レンズ

全世界では、広く使われていますが、日本では厚労省の認可がないため、医療保険が適応されず、自費での診療・手術になる眼内レンズです。

RayOne Galaxy(レイワンギャラクシー)

このレンズは、現在、世界で最新で、最も注目されている眼内レンズです。
イギリスの世界で初めて眼内レンズを開発したRAYNER INTRAOCULAR LENSES社と
ブラジルのJoão Marcelo Lyra博士が共同で人工知能(AI)を用いて開発しました。
レンズ部分は螺旋状に屈折力を変えることによって遠方から近方まで連続した見え方を提供し、
グレア(光のにじみ)・ハロ(光の輪状散乱)・スターバースト(光の放射状散乱)などの
異常光視症の発生が他のレンズに比べて非常に少ないのが特徴です。
また、35cmから遠方まで焦点が合うように設計されています。
手術翌日からすぐ見えるというより、手術後しばらくしてから安定した良好な視力が得られるレンズです。
2024年9月にヨーロッパで発売され、2025年から日本でも入手可能となりました。

5焦点眼内レンズ:Intensity

5焦点眼内レンズとは、遠方、中間距離、近方に加えて、遠方と中間距離の間、
近方と中間距離の間の5つの焦点が合う眼内レンズです。
回折格子(光の進む角度を曲げるプリズム)の技術革新によって、これが可能となりました。
即ち、近方から遠方まで境目がなく焦点が合う眼内レンズです。
多焦点眼内レンズは、回折格子によって光を曲げていろいろな距離の焦点を合わせるので、
どうしても光が散乱して、瞳から入ってくる光を100%有効に使うことができません。
今までの多焦点眼内レンズはおよそ85%程度光を利用できるようになっています。
即ち、15%は、光のロスといって散乱してしまいます。
しかし、この5焦点眼内レンズは、その光のロスが、6.5%と極めて少なく、現時点で世界最高です。
このため、今までの多焦点眼内レンズより、明るくクリアーに見えるのです。
また、ハロー・グレアーという光の散乱も少ないです。
イスラエルのHanita社で作られているレンズです。
日本では知られていませんが、イスラエルはこの方面の科学技術は非常に進んだ国です。
イスラエルの戦争のため、現在このレンズは、入手不能です。

自由診療費用(片眼)

術前検査から手術費用、術後1ヶ月までの診療費、投薬費すべてを含みます(消費税込み)。
通常の眼内レンズとは、乱視矯正のない眼内レンズです。多くの方はこのレンズが適応となります。
乱視の強い方は、裸眼視力を上げるために、乱視をある程度矯正できる乱視矯正の眼内レンズをお勧めしています。

Galaxy Intensity
通常の眼内レンズ 715,000円 638,000円
乱視矯正の眼内レンズ 814,000円 682,000円

メディカルクレジットローンのご案内

費用が高額のため、1度でのお支払いが難しい場合もあると思われます。
このため、当院ではクレジット会社と提携し、クレジットローンを組み、6回から60回までの分割払いを可能にしています。
詳しくは、予約時にスタッフにお尋ねください。